http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140512-00010000-teikokudb-ind


私学が潰れる?

ビックリするようなニュースではあるが、始まったなという感想。
これからどんどん増加していくだろう。
進む少子化により、学校数と生徒数のバランスの形態は、ほぼ崩れています。
あと3年・5年・10年たてば、倒産する学校は続出するでしょう。
大阪の「無償化」が制度廃止になったら、大阪の私学はどうなるんだろうと思います。

私学の収入源は、入学金と授業料が主なベース。
しかし、上記以外に大きい収入が、行政からの補助金と助成金。これが大きなウエイトを占めています。
一昔前に、特定の学校で特待生が規定人数よりも多くいるとささやかれる噂がありましたが、それを可能にした理由は上記です。
しかし国の財政が厳しいので、年々額を減らされているのが現状です。この「税金」がカットされたら・・・考えると恐ろしい結果が予想されます。

生徒数確保が私学の至上命題です。進学塾に教員が挨拶回りしているという話もあるくらいですから。
では、生徒数を集めるためにどういう対策をとるのか?
ここで出てくるのが、「広告宣伝」と「イメージ創り」
スポーツの強化により、露出と知名度を上げようということです。
ラグビーの花園・サッカーの国立・バレーの春高・駅伝の都大路。これらは地上波を使用します。
一方、地上波はないものの、個人が活躍し宣伝できるものは、
水泳・ゴルフ・体操・陸上・卓球・テニスなどがあります。
インタビューや会見の際、宣伝のための看板(学校法人やスポンサー記載)のような前で行っているのを目にします。最近ではドラフト指名会見でも見かけます。

しかし、甲子園を上回る宣伝はありません。
試合前から終了までの3時間、テレビで生中継で宣伝してくれるわけですから。
ニュース、甲子園番組等、大会期間中どれだけメディアに出てくるか、相当な回数です。
CM料で計算したら、一体幾らになるのでしょう・・・
学校もそうですが、野球用具メーカーも躍起になるも分かります。


甲子園に出ると次のような効果があります。
1.甲子園で勝ち進むことができれば学校の名前を売ることにつながる。それにより、来期の受験者数・入学者数を増やそうという考え方。そして「寄付金」の特別収入。
2.学校経営とは関係なく、一般生の学校への求心力のための野球部。スポーツに頼らない進学校などに多い傾向です。

約4000校あっても、たった49校しか甲子園には出れません。
出れなかった学校の方が、圧倒的に多いわけです。
となると、生徒数の確保をするために私学に求められることは、
施設・環境の整備、指導者の充実、進路先の確保など、「甲子園に出れなかっとしても」という部分が大事になってきます。
今回の千葉の高校の倒産要因も、生徒数減少ではなく、設備投資等の借り入れだと書いていました。
ある程度の設備がないと、良い選手は集まってきません。だから投資しないといけない。
以前は選んでいたのが、選ばれる時代になってきています。
本当に難しい時代になってきます。

子供が減る→有望な中学生の減少→激しい選手獲得合戦
結局、獲れた学校と、伝統校や指導者を慕い自然に良い選手が集まってくる学校が勝ち組となっていくだろう。
一部の勝ち組と、大勢の負け組。
この縮図は、今の日本社会そのままです・・・。
今後、少子化は加速します。私学は統廃合が進むことになるだろう。
特定の私学と伝統の公立校しか、甲子園に出られなくなる予感がします。

話は変わりますが、先日、舞洲に観戦に行った際、素晴らしい公立校を見ました。
同時に今の私学って・・・と正直感じました。
昨年の夏大を見て、一番良い投手と思った選手も公立でした。
今の小学生や、中学生(硬式)の試合のレベルを判断する限り、
「野球王国 大阪」の没落の日も近いかもしれません。
実はもう、始まっているのかもしれませんね・・・。
近年、著しく低下しているレベルと個人能力。
中学生の指導にあたる我々も、試合に勝った負けただけでなく、もっと大きな視野をもって育成に当たるべきだと思います。
私も今年の1年生から、新たな取り組みをしていくことを決めています。
練習内容ではありません。「可能性を求めて」やっていくということ。


今、多くの中学硬式チームが3年生の進路を行っている時期。
強いだの、甲子園出てるだの、甲子園近いだの、皆さん色々と悩んでいる時期でしょう・・・。
野球だけを特化して見すぎてはいけないと、千葉の高校のニュースを観て改めて思いました。
決して、高校の会計報告や収支報告、人事異動を先に見れるわけではありませんが、冷静に判断できるだけの情報は持っておかねばなりません。

「野球部だけを見るのではなく、学校(経営方針)を見ないといけない」私がいつも言う言葉です。

結局最後は、預かっていただく、「人」
信頼できるか、できないか。

これに尽きますよね・・・。